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腰痛・ヘルニア最新情報

腰痛の新常識

1腰痛は歳のせい?

高齢者の方で、整形外科を受診して腰の骨のレントゲンを撮ってもらい、
お医者さんに「○○さん、年齢相応に腰骨がすり減っていますねぇ、年相応に腰痛と付き合っていくことですよ」とか
「歳だから腰痛はしょうがないよねぇ」と、この様な夢も希望もない言葉かけをされた方、多いです。
当院にご来院の腰痛持ちの患者さんは、完全に治らなくても少しは腰痛が楽になればいいと思って来院される方は少なくありません。
整形外科のドクターに「歳だから治らない」と宣告されれば、誰でも何となく納得して諦めモードになってしまいがちです。

しかし実は、腰痛と年齢が比例している、つまり高齢者の患者さんの方が腰痛の発症率が高く、若い人ほど腰痛になりにくいというデータはありません。
上図のデータ表を見てください。日本の整形外科雑誌1979年度版:整形外科MOOKに掲載されました。
山口義臣、山本三希雄の二人の整形外科医の研究調査したものです。
20歳代から40歳代の方の腰痛患者さんが一番多いです。
そして年齢が高くなるにつれ、腰痛患者さんは低下しています。
このデータからも明らかにわかるように、歳のせいで腰痛になるという説は、全く根拠がありません。
もう一点、「歳だから一概に治りが悪い」という説も根拠がありません。
高齢者の方でも治りの良い方は多いです。
逆に若いのに本当に治りの悪い方もたくさんおられます。
長年多くの腰痛患者さんを治療させてもらっていると、腰痛はその人の腰痛の程度と、その患者さんを取り巻く周りの人の影響と環境、そして一番関係があるのは、その方の性格によります。
ですから一概に歳だから腰痛が治りにくいとは思わないでください。

2ぎっくり腰が出たら安静第一?

ぎっくり腰を経験した人は多いと思いますが、あの痛さは経験した人でないとわからないと思います。
別名「魔女の一突き」と言われるくらい強烈です。
その場で動けなくなり脂汗をかきながら、痛みに耐えるしかありません。
この様な状態になったら皆さんどうしますか?
痛みのため全く動けないのであれば横になって休んでいるしかありません。
つまり常識的には「安静第一」です。
しかし、1995年にMalmivaara.et alによって次のような研究論文が発表されました。

急性腰痛患者186名を対象に、

  1. 2日間の安静仰臥をしてもらった患者さん群
  2. ストレッチを行ってもらった患者さん群
  3. 耐えられる範囲内で日常生活を続けてもらった患者さん群の

3つの患者さん群に無作為に振り分け、その後の経過を追跡調査をしたのが上の図です。
その結果3週間後と12週間後のどの時点においても、もっとも回復の早かった患者さん群は耐えられる範囲で日常生活を続けた人たちでした。また回復が一番遅かった患者さん群は安静にして寝ていた患者さん群でした。急性の腰痛患者さんに「安静にしてください」と指示を出すのは古い誤った考えのようです。ただし、強烈な動作時痛の人は動きたくても動けませんので、横になっているしかありません。
でも少しでも動けるようになったら、できるだけ動ける範囲で動いてもらうということが、慢性腰痛に移行しない方法です。
痛みに負けない、痛みに強くなってください。

3重い物を持つ仕事は腰痛になりやすい?

今までの腰痛常識として、重い物を持つと腰に負担がかかり、常識的に考えても腰痛が出そうですよね。
まして職業として重い物を持つ職種の人はさぞかし腰痛持ちの方が多いように思います。
当院に腰痛で来院される患者さんで「自分の腰痛は職業病です」と言って諦め半分で来院される患者さんもいます。
しかし、1997年に脊椎関連の権威ある学術誌「Spain」にSavage RAの研究論文が掲載されました。
掲載された研究は、職業と腰痛の関係に付いて調べたものです。
自動車整備工場、救急隊員、事務職、ビール工場勤務の5つの異なる職種の149名を対象に、1年間にわたって腰部のMRI画像検査を繰り返し行い、画像所見と腰痛の関連を調査しました。

その結果、椎間板異常と腰痛や職種との関連性はなく、調査期間中に13名が腰痛を発症したもののMRI所見には変化が見られませんでした。
この調査により職業と腰痛の関連性は見られず、椎間板異常と腰痛との関連性もなかったという結論がでました。

職業と腰痛は無関係ということになったのですから、ご自分の腰痛は職業柄しょうがないとか、治らない、治りが悪いと諦めることが、実は慢性腰痛を引き起こしているのです。
重たいものを持つ職業の方は、給料を貰いながら筋トレしていると思って、安心して下さい。

4腰痛は腰に負担のかかる動作で発症する?

腰痛を経験した人で、腰痛が出たキッカケを調べた研究が日本の整形外科雑誌1979年度版:整形外科MOOKに掲載されました。
前出の山口義臣、山本三希雄の二人の整形外科医の研究調査したものです。
一般常識とすれば、職業柄で腰痛になってしまったと考える人はたいへん多いと思います。
しかしこの2人の先生の調査研究によると、実は実際には違っていたのです。上の図は腰痛発症のキッカケが不明という方が半分以上(57%)です。以下重い物を持った、身体をかがめた、身体を捻った、事故転倒の合計が43%です。つまり何かやったから腰痛がでたというよりは、実は半数以上の方はキッカケの動作は不明なのです。

実際、当院に腰痛の治療に来られる患者さんに問診で「何かきっかけは?」とお聞きすると、「特にこれといったきっかけはありません」という方が、多いように感じていました。
何かをおこなう動作は腰痛を引き起こす一つの要因には間違いありませんが、この図が示すように本当の原因は他にあるようです。
最近、ようやく日本の医療界でも言われ始めている「ストレス」が腰痛を引き起こす本質的原因であるということです。
腰痛患者さんに限らずあらゆる病気の本質はストレスです。
腰痛がでる前段階でその人を取り巻く環境からくるストレス、仕事のこと、家族のこと、子供の養育、親の介護など、心理社会的要因からの重圧がストレスになっています。

ただストレスにも意識できるストレスと本人は意識していないストレスとがあります。
何となく圧迫感を感じ、体が緊張し思うように動けないということは誰でもあります。
緊張が続けば血流を落とします。
いやなことを思っただけでも血の気が引くということは、誰でもあります。
人の体に流れる血流は大きく3つに分けられます。
頭、筋肉、内臓です。
頭に血流が不足すると心身症に、筋肉に血流がいかなければ筋肉のこり張り痛みしびれに、内臓に血流が悪くなれば、内臓の病気になります。

つまり腰痛がでる前段階で、たまたま、無意識に腰の筋肉が過緊張をおこし、血流が悪くなり、腰痛がでるべくして発症したのです。
上の図の57%は腰痛発症のキッカケ不明という数字が今後は増々高くなっていくことが予想されています。
腰痛はたいへんつらいものですが、心身症や内臓の病気になるよりは、ずっと罪が軽いように思いませんか?
少しおかしな話になりますが、腰痛になったら運が良かったと、腰痛よりもっと重篤な病気にならなくてよかったと思っていただければ、腰痛の回復もずっと早くなります。

5肉体労働をする人の方が腰痛がでる?

上図は職業別の腰痛発症率を調べたものです。
この調査研究も前出の山口先生と山本先生の二人が1979年に整形外科MOOKに投稿したものです。
私の腰痛は職業柄しょうがないと考えている方がほとんどです。
しかし上図をみてわかるように、実際には肉体労働は関係なく、むしろ無職の方が最も多く腰痛を発症しています。
無職で仕事をしないでいるから、さぞかし腰が楽なはずなのに、これはいったい何が原因しているのでしょうか?

前出の4)で説明したストレスが原因となっています。
リストラされたのでしょうか?
これから子供が進学する、親を介護施設へ入所させる、自分は仕事がなくその分、家内が仕事に出ている等々、経済的ストレスやこの方を取り巻く環境ストレスは、たいへんな状況になっています。
このような状況に置かれ方の心理状態を想像してみてください。
想像するに絶するものがあります。
これでは腰痛が出て当たり前です。
むしろ腰痛で済んでよかったくらいです。
心身症になって引きこもりになったり、命に係わる病気にならなかっただけでも、運がよかったということになります。
最近、日本の整形外科でも腰痛はストレスと言い始めています。
ヨーロッパ諸国、アメリカなどの医療先進国では、10年以上前から腰痛を心理社会的腰痛モデルとして診療を行っています。
複雑化した現代社会で生きている私たちは、単なる肉の塊、骨の集まりではありません。
生物構造学的腰痛モデルという100年近く続いてきた腰痛への考え方、取り組みを心理社会的腰痛モデルへと変換していく時期に入っています。

概に肉体労働者の方が腰痛の発症が多いとは言えない時代に入っているということです。
肉体労働従事者つまりブルーワーカーの人たちの方が、つまらないことを考えずにしっかり体を動かしています。
汗水たらして仕事に精を出し、夕方は心地よい肉体的疲労と満足感をともなって帰宅し、入浴と晩酌などで身も心も満足感にひたり、感謝の気持ちで就寝するといった一昔前の肉体労働者の方が腰痛が少なかったのは、当たり前のような気がします。

椎間板ヘルニアの新常識

1椎間板ヘルニアって?

下図は腰の椎間板ヘルニアの模式図です。
赤丸のところがヘルニアになっています。
水色の椎間板がつぶれて後ろの神経を押しているために、痛みしびれが出ると考えられています。

当院は腰痛専門を看板にしていますので、腰痛の患者さんが多いのですが、病院の整形外科で椎間板ヘルニアの診断を受けて、当院に来院される方が多くなっています。
なぜ多いのかというと、病院でMRI画像検査を行う機会が多くなっているためです。
今までのようにレントゲン検査だけでは、椎間板は写りませんので椎間板ヘルニアの診断はできませんでした。
しかし最近は病院でも、個人の整形外科でもMRI検査機器を導入し、椎間板まで見れるようになってきています。
MRI検査機器が以前より値段が安くなってきているので、導入しやすくなったことによります。


下図は整形外科病院のMRI画像です。
各図の評価をそのまま載せました。

  • 図1:左L4/5のヘルニアが下方移動し、左臀部痛のため、肘をついて腰かけなければならない
  • 図2:左L5神経根の直情で圧迫のため左坐骨神経痛が顕著
  • 図3:MRIミエログラフィーではL5神経根が圧迫されて凹んでいる
  • 図4:ヘルニアにより神経根部が丸く欠損しており、その下に続く神経枝がみられない

この病院では手術をして術後の画像も掲載しており、このヘルニア患者さんは無事回復退院したそうです。
手術適応例としてこのMRI検査画像を掲載しています。
見るからに飛び出した椎間板が神経を押して痛そうです。
この画像を見せられ、白衣を着たドクターから「○○さんの腰痛の原因はこれです。この飛び出した椎間板を手術によって摘出すれば治ります」
この様な説明を受ければ、どなたでも藁をもつかむ思いで、手術を希望します。できれば切りたくはないのでしょうが、あまりの痛さと、この画像の酷さを見れば俎板の鯉です。
さらに手術をして後が良かったら問題はありません。

2椎間板ヘルニアは痛みの原因ではない?!

しかし、椎間板ヘルニアは痛みの原因ではない?!ということが、多くの研究で証明されています。
日本の医学界では椎間板ヘルニアが痛みの発生原因となっていますが、世界の多くの腰痛先進国では、椎間板ヘルニアが腰痛と関係がないということが一般的になっています。
下図をご覧ください。1995年にBoos Nによって発表された研究です。
この研究は腰痛研究のノーベル賞と言われているVolvo賞を受賞した世界的に評価の高い研究です。
研究内容は腰痛研究の強い症状を訴える椎間板ヘルニア患者46名と年齢、性別、職業などを一致させた健常者46名の腰部椎間板をMRI画像検査をおこない、全く内容を知らない2名の神経放射線医師がその撮影した画像を読影診断しました。
その結果は驚くべき内容でした。
何と椎間板ヘルニア患者と健常者の間にはヘルニアのタイプ差はありませんでした。

詳しく診ていきます。
健常者の76%に椎間板ヘルニアがあり、85%に椎間板ヘルニアの前段階の椎間板変性が認めれました。
健常者であっても椎間板ヘルニアや椎間板変性はどなたにも当たり前にあるということです。
また事前に心理社会的側面を探るためにアンケートを実施していました。
この同時に行ったアンケート調査結果から、仕事に対する姿勢(心理的ストレス、集中力、満足度、失業)や社会的因子(不安、抑うつ、欲求不満、夫婦関係など)が危険因子となっており、痛みと相関関係にあったと結論付けています。

3腰に負担のかかる動作は椎間板変性に影響しない!?

そこで、さらに椎間板ヘルニアは痛みを出さないというヘルニア新常識に関した、別の研究論文を紹介します。
この研究も腰痛研究の分野ではノーベル賞と言われているVolvo賞を受賞しています。
2002年にElfering Aにより脊柱関連学術誌「Spine」に掲載された論文です。
研究内容は41名の健常者を5年間にわたり繰り返し、腰部椎間板をMRI画像検査で追跡調査したものです。
その結果、全体の41%に椎間板変性の発症とさらに進行が見られ、「重い物を持ち上げる」「重い物を運ぶ」「身体を捻る」「身体を曲げる」など、従来から常識のように言われてきた危険因子による動作は椎間板変性に影響していないことがわかりました。
腰痛発症率も調べてみると、驚いたことに、椎間板変性(ヘルニア、椎間板症)のある人の方が、腰痛の発症率が低いことも判明しました。
どういうことかと言うと、「○○さんヘルニアでよかたですねぇ」「ヘルニア持ちの人の方が腰痛は出にくいのです」とブラックユーモアみたいな会話になってしまいます。
まとめですが、腰痛と椎間板変性(ヘルニア、椎間板症)とは無関係であるという結論が出ました。

4椎間板変性は3歳から始まる!?

前項で椎間板の変性と腰痛とは無関係であるという話をしました。
そこでもう一つ椎間板の変性はいつから起きるかを調べた研究を紹介します。2002年にBoosによって脊柱関連誌「Spine」に投稿され、Volvo賞を受賞しています。
研究内容は腰痛疾患が無かった胎児から88歳までの死体解剖例(54遺体)と腰痛疾患を持つ14歳から68歳までの椎間板摘出例(23名)を対象に、20.250枚におよぶ腰部椎間板の組織標本を作製しどちらの標本か知らない第三者によって詳しく顕微鏡分析しました。
顕微鏡分析したドクターは年齢も腰痛があった人かもわからない状態で分析したものです。
その結果も驚きの結果でした。
何と腰痛の有無にかかわらず3歳~10歳で椎間板への血液供給量が減少し始めるとともに軟骨終板にも亀裂が認められ、11歳~16歳では繊維綸の亀裂や断裂といった椎間板構造の崩壊がみられました。
つまり、腰痛があった人も無かった人も同じように何と3歳くらいから椎間板の老化現象が始まり、11歳くらいから椎間板変性が起きているということです。
この研究で分かったことは椎間板の変性(構造的な変化)は誰でも起こり、それが起こったからといって腰痛になるということはないということです。腰痛と椎間板変性には関連性がないという結論に至りました。

5椎間板ヘルニアとMRI

病院でMRI画像検査を受けられて、椎間板ヘルニアの診断された患者さんが当院には多数来院されます。
中には個人の整形外科でレントゲンだけでヘルニアの診断をされた方もいます。椎間板はレントゲンでは写りませんのでレントゲンでの椎間板ヘルニアの診断は疑問です。
レントゲンでは写りませんが、MRIならしっかり写りますので、椎間板ヘルニアかどうかは一目瞭然です。
先生も患者さんも納得して「腰のヘルニアです」「そうですか、やっぱりヘルニアですか」ということになります。
椎間板ヘルニアの診断を受けた患者さんの予後はお決まりのヘルニア人生の始まりです。
腰をかばいながら動くようになり、腰の筋肉量はどんどん低下し、伸縮性の悪い筋肉状態になり、少しのことですぐに腰痛が発生するようになります。
先ほどから何回も説明していますように、椎間板ヘルニアは痛みを出しません。そこでもう一つ、椎間板についての研究を紹介します。
1990年ジョージ・ワシントン大学メディカルセンターのScottD.Bodenらの研究によると、腰痛、坐骨神経痛を過去にまったく経験していない67名をMRI検査で調べたところ、60歳以下では1/5の人に椎間板ヘルニアが認められました。また半数の人に椎間板のふくらみ(椎間板ヘルニアの手前の状態)が確認されました。そして60歳以上になると、驚くことに1/3の人に椎間板ヘルニアが見つかり、80%近くの人に椎間板のふくらみが確認されました。
この研究の結論は腰痛の無い人でも、椎間板ヘルニアを持った人は多く、年齢を重ねるにともなって、その割合が多くなるということです。
椎間板ヘルニアとは、椎間板の状態を示しているに過ぎず、腰痛とは直接関係ないという結論を導き出しました。

さらにもう一つ椎間板の変性と腰痛は関係ないという研究を紹介します。
モーリン・ジャンセンが「ニューイングランド医学雑誌」に発表した研究です。
腰下肢痛に病歴のまったくない98人を対象に、腰椎をMRI検査で調べたものです。
調査結果によりますと、36%の人は度の椎間板も異常がなく、52%の人には一か所以上の椎間板のふくらみが見られ、27%の人に椎間板の突出、1%に椎間板の脱出がありました。
この研究では、MRIによって腰痛患者に椎間板のふくらみや突出が見つかったとしても、多くは偶然によるものであると結論付けています。
MRI画像によって、ドクターから椎間板の異常を見せられる、これが腰痛の原因だとドクターも患者さんも納得してしまいます。
しかし、いろいろな研究が示すように、椎間板と腰痛とは関係がない、さらに椎間板ヘルニアは痛みの原因ではない!!ということです。

6腰痛疾患に画像検査は役に立たない?!

病院や個人の整形外科医院に行くと親切に、まずレントゲン(単純エックス線撮影)を必ず行います。
下肢症状が出ていればMRI検査になります。
撮影された画像を見れば構造的異常は一目瞭然、ドクターも患者さんも納得してしまいます。
しかし何回も説明してきたように、構造的異常つまり形態学的異常は腰下肢痛の原因ではないということです。
ということは一部の例外を除きほとんどの腰痛、下肢痛はレントゲン、MRI、CT等の画像検査は必要ありません。
例えばアメリカの腰痛診療ガイドラインでは、臨床検査で危険信号が認められない限り、急性腰痛発症から1か月以内のレントゲン検査は勧められないと、しています。つまりレントゲン検査は必要ないばかりか、やってはいけないとまで、勧告しています。
なぜなら、構造的異常は腰痛の原因ではないとしており、さらに生殖器の放射線被曝の問題が発生するからです。
またエックス線検査は患者の回復を遅らせるという報告もあります。
エックス線写真を見た患者さんは自分自身を悪い病気になってしまった、重病だと思い込み、不安や恐怖心から腰をかばった生活をするようになり、腰の運動量も落ち、腰の筋肉量もそれに合わせてどんどん低下します。
収縮性の悪い筋肉となり、些細なことで腰痛を繰り返すようになります。
ここまでくればりっぱな慢性腰痛持ちです。
MRI画像ならさらに椎間板まではっきりと写りますので、椎間板ヘルニアの診断は容易です。
最近はMRI画像撮影が多く行われているため、知らなくてもよかった椎間板ヘルニア診断患者さんが大変多くなっています。
アメリカの腰痛診療ガイドラインでも、レントゲン検査同様MRI,CTスキャンは勧められないとしています。
画像検査をおこなったばかりに、慢性腰痛患者になってしまった患者さんはたいへん多いと考えられています。
親切にレントゲンを撮ってくれたドクターは実は親切どころか、慢性腰痛の元を作っていたことになったしまったのです。
ブラックユーモアでは済まされませんよねぇ?

当院の腰痛ヘルニアが治るための4つの大前提

当院の腰痛(椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、腰椎分離症、すべり症、変形性腰痛症などのすべての腰痛症を腰痛という)の考え方は、一般的な整形外科、整骨院等の腰痛を取り扱っている診療所とはまったく異なっています。
例えば整形外科が椎間板ヘルニアは痛みしびれを発生させるという考え方は、一般的な整形外科では当たり前です。
しかし、当院の考え方はこのサイトで解説しているように痛み、しびれは椎間板ヘルニアは発生させないという真反対の考え方です。
そしてこの考え方で治療をおこなっています。
整形外科が右だとすれば、当院は左です。
それほど腰痛に対するあらゆる考え方が異なります。
180度考え方が違っています。
患者の皆様は、大きな病院の整形外科医師の最新の画像検査機器を使った診断は、けっして間違えないと誰しも思われることでしょう。
しかも小さな個人整骨院の検査機器も無いところの院長の話など、採るに足りない考えと思われるのも無理もありません。
しかし、現況はどうでしょう?腰痛患者2800万人といわれ、ますます増加の一途です。
MRIなどの高度な検査機器を駆使して、30年前とは比べようもない高度な医療技術を駆使して手術(厚労省の統計によるとヘルニア手術は年間16万件)をおこなっても、治療成績はまったく変わってはいません。
腰痛難民は増えるばかりです。
大病院でおこなわれている腰痛診断、腰痛治療は根本的な問題を解決しない限り、腰痛患者が減ることはないと考えます。
今、世界中から腰痛に関した新しい考え方がどんどん入ってきています。
今現在一般的な整形外科で採用している腰痛概念とは、まったく異なった考え方です。
腰痛先進国では椎間板ヘルニアは痛みもしびれも出さないということが、当たり前になりつつあります
当院も早くからこの考え方で治療をおこなっています。
以前の古典的腰痛モデルを採用して治療をおこなっていた頃から見ると、治療成績、結果には歴然とした差が出ています。
ひとりでも多くの方がつらい腰痛人生を送ることなく、また腰痛人生を送っている方は、一刻も早く腰痛人生を卒業されることを願ってやみません。

当院の腰痛に対する考え方、またこの考え方に沿っておこなっている腰痛治療の4つの前提をまとめてみました。 この4つの前提をご理解いただくことにより、当院の腰痛、そして腰痛治療に対する考え方がより深くご理解いただけます。
大前提①

痛み、しびれは筋肉、靭帯などの軟部組織が発生源である。
痛み、しびれの発生源はどこでしょうか?
腰椎(背骨)、椎間板、などの骨格系を形成する構成物でしょうか?
骨格、骨は体を支える支持組織です。
この支持組織である骨に痛みのセンサーはありません。
もし骨に痛みの神経が入っていたら、骨折したら神経も一緒に切断してしまいます。
そして骨折部より先は何も感じなくなり、二度と動くこともできなくなってしまうでしょう。
しかし、骨折しても骨折部より先は感覚もあるし、動きます。
この事実が証明していることは、骨には神経が無いという何よりの証明です。骨折して痛いのは、骨折部位の周辺の軟部組織、筋肉靭帯にある痛みのセンサーにスイッチが入りその情報は上向して脳まで届き、脳が痛みとして認識しているのです。
もう一度確認します。
骨そのものは、痛みはでません。痛み、しびれの発生源は筋肉・靭帯などの軟部組織です。

大前提②

脊柱を作っている24個の背骨は痛みもしびれも出さないということがわかっているので、腰の病名は付ける必要が無いばかりか、付けてはいけない。
症状によって分けるべきです。

腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、腰椎分離症、腰椎すべり症、変形性腰痛症など今までは、レントゲン検査やMRI画像検査をおこなって、腰の5つの椎骨がどのような状態になっているかにより、診断名を付けてきました。
その診断名により、治療をおこなっています。
診断する先生により場合によっては診断名が異なり、そのため、病院を次々と替える渡り患者さんが多く発生しています。
あくまでも背骨のみの構造的な状態を対象にして診断をおこなっていいます。
しかし今後は、診断は悪性か良性かの選択をおこなって、悪性とは命にかかわるか、重篤な後遺症を残す場合、今後歩行困難などの運動障害が進むと予測される場合は悪性と考えます。
それ以外はすべて良性ということになります。良性の腰痛は必ず回復します。治ります。

大前提③

腰痛は全体のバランスの崩れがたまたま腰痛になって出ている。
骨は痛みを出さないことがわかりました。
ということは筋肉、靭帯などの軟部組織が痛みを発生させる大本です。
不良姿勢、偏った体の使い方により、この筋肉、靭帯の負担をかけているため、初めは疲労感程度だったものが、耐えきれなくなり、発痛物質を出し脳で痛みとして感じてしまうのです。
結果、腰痛が発生したり下肢痛が出たり、おしりの痛みになったりしているのです。
治療は体全体のバランスを取ることから始まります。
きちんと立てていたり、座っていることができるようになります。

大前提④

なぜ筋肉が緊張するのか?
私たち人間は、地球上では常に1Gという重力を受けて、動いています。
この重力を受けて動けるのは、骨組織があるからです。
骨で体を支えて、筋肉で骨を動かして、移動したり動いています。
骨は体を支える支持組織、筋肉は骨を動かす出力組織です。
筋肉は曲げたり伸ばしたり、動的な仕事をしているのですが、例えば事務仕事でパソコンを長時間打っているなど、静的な仕事は苦手です。
すぐに疲労物質を放散して、凝った、張った、痛いと悲鳴をあげます。
あまりにもつらくなると、そこで凝った筋肉をマッサージしたり揉んだりすることになります。
しかしその場では一時楽にはなりますが、またすぐに凝り始めます。
この繰り返しで、定期的に治療を受けている方もたいへん多くいます。
ではなぜこの悪循環を解消できないのでしょうか?
筋肉の凝るような静的な仕事に付いている方は、ずっととこのような体の変調をがまんしなければならないのでしょうか?
この悪循環を抜け出すためには、簡単ではありませんが、可能です。
まず、治療により体の中心(センター=核)、東洋医学では丹田といわれるからだの中心に、体のバランスを合わせます。
丹田そのものはお腹の中にあり、触ることも、ここですと指し示すこともできません。
この辺りかなと意識することくらいしかできません。
しかし体のバランスを、このセンターをに合った状態には治療ですることができます。
バランスがあった状態は骨でしっかりと立つことができ、全身の筋肉が脱力し、呼吸もスムースになり腹の座った状態になります。
たいへん気持ちの良い感じが味わえます。
このような状態を治療により何回か経験していただくと、これが丹田が体のセンターと一致した状態ということが、体でわかってきます。良い姿勢はあたりまえに獲得でき、不良姿勢はできなくなり、すぐに体の違和感を感じ、体がセンターを求めるようになります。
ここまでくればもう卒業です。
からだの違和感から解放されます。
このセンター=核=丹田(下丹田)を獲得できれば一生の財産です。
何よりも体が健康になり、心も安定してきます。運も向いてくることでしょう。人生が開けます。
ぜひいっしょに丹田を獲得しましょう。

当院の治療施術の根本

当院が腰痛・ヘルニアを実際どのように治療施術を行っているか、以下の3項目の指針が根本にあります。
  1. 機械的な障害と非物質的な障害がある
  2. 機能が構造を決定する
  3. 構造的異常は痛みの原因ではない
「構造が機能を規定する」⇒「機能が構造を規定する」

構造学的アプローチではなく、機能的アプローチを重視した治療法を採用しています。構造改善より機能、機能改善よりエネルギー改善です。
原因を除去しなければ根本療法とはならない。

以上、当院の治療施術の根本的な法則を揚げてみました。以下はこの法則の実際に則した分かりやすい説明です。

当院の考える病気の原因

1つの原因は、物理的に細胞に血液がいかなくなることで、たとえば筋肉細胞に血液がいきにくくなることで、筋肉の疲労感、さらに進んで凝り、張り痛みしびれという自覚症状につながります。脳細胞に血液がいかなくなることで、「うつ状態」になったり、お年寄りは認知症になります。内臓に血液がいかなくなることで、臓器の故障につながって内臓の病気になります。

毛細血管の先端には、大別すると3種類の細胞があります。1つは脳細胞、2つ目は臓器細胞、3つ目は筋肉細胞です。

この3つの細胞の中でその人にとって最も弱い細胞がダメージを受けます。一番弱い細胞が脳細胞なら、血流不足の状態が続けば「うつ状態」になります。喩えるなら、電線に電流が流れているのに、電線の先にある豆電球まで電気が届いていない状態です。ストレスによって毛細血管が収縮し、脳細胞に血液が届かなくなると、豆電球を灯せていない状態になります。

臓器細胞なら、五臓六腑の中に細かく張りめぐらされている血管が収縮して血流が悪くなると、臓器が正常に働くことが出来なくなり、内臓の病気、臓器不全になってしまいます。

筋肉に血流が悪くなると、筋肉に疲労感が出始めます。この疲労感はやがて、筋肉の凝り感、張感、さらに進むと、痛みやしびれを自覚するようになります。腰痛、肩こり、膝痛などの筋骨格面での症状で、皆さん来院されることになります。

この3つの細胞の中で一番弱い細胞が問題の症状を起こすということです。しかしこの3つの弱い細胞の血流の悪さは同時進行ですすみ、特に血流の悪い細胞群が症状として表面化して現れ、それが脳の病気であり、内臓の病気であり、筋肉の問題症状であるということです。さらに血流の悪い状態が続いて長引いてしまうと、人によっては脳も内臓も筋肉も、あっちもこっちもと訴えて来院されます。


血管が物理的に収縮される外的な要因は3つです。
「ストレス」「寒さ」「たばこ(ニコチン)」の3つです。

東洋医学では血液の流れが悪くなる原因を3つに分けています。

  • 内 因・・・・体内にある「感情」(七情と呼ばれる)が臓腑を傷つけるという考え方
  • 外 因・・・・体外の「環境」、いわゆる「六気」というものが原因で「邪」と呼ばれる体に悪いものが体内に入ってくるという考え方、自然の季候がこれにあたる
  • 不内外因・・・内因、外因とは別で「過剰な労働」、「暴飲暴食」などが病気になる原因という考え方、不摂生など

病気の原因(血流の悪さ)は自分の感情(内因)か、体外の環境(外因)か、感情、環境以外(不内外因といい過剰な労働、暴飲暴食など)に分けています。
ストレスは内因、寒さは外因、たばこは不内外因となります。

1腰痛とストレスの関係

1慢性腰痛に脳が関与

最近の腰痛研究で、今までの常識を覆す内容が発表されています。長引く腰痛は脳の働きが大きく関与していると言われています。体の痛みや感情に関係している脳の側坐核という部位が委縮を起こし、脳内麻薬と言われるオピオイドの分泌が悪くなり、機能不全を起こし、体の痛みのコントロールがうまくできなくなっているとのことです。本来なら炎症を起こした腰の筋肉が消炎されれば火災警報装置は鳴りやむところ、炎症が収まってもまだ火災報知器のベルが鳴りやまない状態です。記憶された動作時痛に怖いと過剰に感じ続けている状態です。

2腰痛にストレス関与

側坐核の委縮による脳内麻薬オピオイドの分泌低下はストレスが原因と言われています。目に見えない非物質ストレスが目に見える腰の筋肉の痛みのコントロールに関与していることが分かりました。
最近、整形外科の取り扱う筋骨格疾患においても「腰痛はストレスが引き起こす」ということがいわれています。今までの考え方からすれば、あくまでも腰痛は腰の骨や筋肉の器質的(機械的)な問題であり、物質的な問題という考え方で長年診断、治療してきました。しかし「腰痛はストレス」という考え方は肉の塊、骨の集まりという物質的な問題ではなく、ストレスという目に見えない非物質が腰痛の原因であるという考え方をするようになってきています。残念ながらこのような考え方は認められつつありますが、医科では保険診療の壁があり、到底できません。また臨床に携わっておられる整形外科の先生方はけっして認められないでしょう。
当院はこのストレスについて、病院等の医療機関とは別のアプローチをおこなっており、いろいろな角度から深く掘り下げて、患者さんとともに解決を図っています。

2ストレスとは?

1ストレスとは金属疲労の事

ストレスとはどのような状態のことをいうのでしょうか?一般的な成書に書かれているストレスの説明は、何となく分かったような、分からないような説明が多く、なかなか腑に落ちる説明は少ないようです。
そもそもストレスとは金属疲労の事です。鋼という金属は、ある一定以下の圧であれば、何万回でも跳ね返します。しかし普通の鉄やアルミニューム、ジュラルミンは圧を繰り返し掛ければ、やがて少しずつ金属疲労がでて、折れ曲がったり、割れたりしてしまいます。これが金属疲労というもので、英語でストレスと言います。

3ストレスとは「思いどおりにならないこと」

この金属疲労の状態を人に当てはめて、ストレスを抱えているとか、ストレス発散するというような表現を使っています。悩み・苦しみというようにはっきりとした自覚はないのだけれども、精神的にいつも重圧を感じている、これをストレスと言います。実は人間は悩み・苦しみというはっきりとした自覚症状がなくても、潜在意識の中で重圧を感じ、圧力を感じ、重苦しいとか感じながら生きている場合があります。これがストレスです。はっきりした自覚症状がないにしても、何となくいつも何かに追われ、何かに押さえつけられているような感じです。ひと言でいうと、ストレスとは「思いどおりにならないこと」から始まります。

4心身の問題はすべてストレスから

ストレスを放置しておくとどのようになるでしょ。ストレスが増加しいつも「疲れた、疲れた」が口癖になり、このような状況を疲労が溜まったといいます。疲労は寝ても治りません。疲労は睡眠不足とは違います。睡眠不足は寝ればとれるのですが、疲労は寝てもとれません。もとがストレスだからです。
ストレスを放置しておくと、疲労になり、疲労を放置しておくと、筋肉の凝り、張り、痛み、しびれという病的症状につながります。凝り、張り、痛み、しびれ、を放置しておくと、内臓臓器の故障になります。これを病気といいます。臓器の故障までは修復できますが、そのあとに臓器の停止というものがどこかにおきます。臓器が機能を停止する、これを「死」といいます。五臓六腑どれか一つでも機能停止した場合には、人は生きていくことができません。心臓は動いているけれども、肺が機能停止してしまった、あるいは肝臓が機能停止してしまったとういような事態は他の臓器が働いていても、人間は生きてくことができません。つまり臓器の停止は死を意味します。

5腰痛はストレスから始まる
ストレス⇒疲労⇒凝り、張り痛み・しびれ⇒臓器の故障(病気)⇒死

一番最初の「ストレス」から二番目の「疲労」、三番目の「凝り、張り、痛み、しびれ」、四番目の「臓器の故障=病気」、五番目の「死」に至るまで、必ず順番どおりに進みます。一から三とか、二から五に飛んだりしません。必ず一番から五番まで順番どおりの過程をたどります。つまり一番最初の問題は「ストレス」です。これでお分かりいただけましたか。「腰痛はストレスから」ということが。腰痛だけではありませ。身体のいろいろな部位に発現する痛み、しびれ、凝り、張りはすべて始まりは「ストレス」からです。

6果てしないストレスとどう付き合うか?

「思いどおりにならないことを自分で自覚し、それをずうっと持ち続けながら、重苦しい日々を送る」これがストレスです。
では、思いどおりにならないことを引きずらないためにはどのようにすればよいのでしょう?
「○○をして、ストレスを解消しましょう。ストレス発散しましょう。」
この○○には例えばスポーツ、美味しいものを食べる、旅行をするなど楽しいことを、やりたいことをするという行為の言葉が当てはまります。しかし単にやりたいゴルフができなくて、それがストレスになっていたが、ゴルフをやった、行きたかった海外旅行に行けないことがストレスになっていたが、行きたい海外旅行に行けた。しかし、ゴルフをやろうが海外旅行に行こうが、結局はストレスの解消にはなってはいません。むしろまたゴルフをやりたくて、また違うところに出かけたくて、ストレスは増すばかりです。更なる欲求が湧いてきて、思うようにならないストレスがたまるばかりです。できないことができても、ストレスは解消されません。
一つかなっても、また次から次へと、思いどおりにならないことがでてきます。
この世の中、何一つ思いどおりになることはありません。また人間の欲求はこれでいいということはありません。常に思い通りにならない重苦しさを何となく感じて、毎日生活しているのが人間ではないでしょうか。これがストレスの本体です。
思いどおりにならないことを引きずらないためには、人生思いどおりならないものと決めて自覚することです。思いがかなえばより結構、思いがかなわなくても結構と決めてかかることです。

内因・外因・不内外因

東洋医学はよく「バランスの医学」なんて言われますが、気や血、津液、五臓六腑のバランスがうまくとれなくなると病気になるということです。これらのバランスが崩れる原因を「内因、外因、不内外因」と3つに分けています。

  • 内 因・・・・体内にある「感情」(七情と呼ばれる)が臓腑を傷つけるという考え方
  • 外 因・・・・体外の「環境」、いわゆる「六気」というものが原因で「邪」と呼ばれる体に悪いものが体内に入ってくるという考え方
  • 不内外因・・・内因、外因とは別で「過剰な労働」、「暴飲暴食」などが病気になる原因という考え方

簡単に言うと、病気の原因が自分の感情が原因か、外部からの環境が原因か、どちらとも言い難いものが原因かという3つに分けられているということです。

内因・七情とは

東洋医学では人間の感情は7つあるとされています。怒、喜、思、悲、憂、恐、驚の7つです。誰でも怒ったり、喜んだり、悲しんだり、驚いたりという感情があるのは普通です。しかしそれが極端に大きかったり、長期間続いていたりすると病気の原因となります。それぞれの感情が決まった臓器に影響すると言われているのが下の項目になります。

  • 怒 → 肝を傷つける
  • 喜 → 心を傷つける
  • 思 → 脾(胃)を傷つける
  • 悲、憂 → 肺を傷つける
  • 恐、驚 → 腎を傷つける

というように専属があります。臨床経験上でも何となく当たっていることもあるので驚きです。心と体は繋がっているということは紛れもない事実であります。

外因・六気とは

外因は外部の環境が関係すると書きましたが、特に自然の気候はこれに当たります。その気候の変化を「六気」と呼びまして風・寒・暑・湿・燥・火という形で6つに分けられます。この6つが「邪気」として人間にとって悪影響を与えるものになるのです。

  • 風邪(ふうじゃ)→ 春に多く、体の上部に症状が現れやすい。ex.頭痛、喉痛、めまい等
  • 寒邪(かんじゃ)→ 冬or冷夏に多く、陽気を衰えさせる。ex.寒気、吐き気、下痢、手足の冷え等
  • 暑邪(しょじゃ)→ 夏真っ盛りに多く、汗がたくさん出て、水分が消耗し体力が奪われる。ex.多汗、息切れ、のどの渇き等
  • 湿邪(しつじゃ)→ 梅雨時期、夏場の湿気がある時に多く、濁ったり粘り気がある性質を持つ。ex.下痢、胸がつかえる、だるさ、重さ等
  • 燥邪(そうじゃ)→ 秋、冬の乾燥する時期に多く、肌、口などを乾燥させる。ex.喉の痛み、咳等
  • 火邪(かじゃ) → 火邪は他の気との相乗作用でなることがあり、季節はあまり関係ない。ex.高熱、発赤、精神不安、不眠等

不内外因とは

内因と外因以外のものを「不内外因」と呼びます。例えば過度な労働や、性生活の過多、食べ過ぎ飲み過ぎによる不摂生などがそれに当たります。ある程度自分でバランスが取れたり、コントロールできるものが多いです。
大きく分けると「内因」、「外因」、「不内外因」の3つが病気の原因、体調が悪くなる原因として考えられます。皆さんが思い当たるものはありましたか?季節の変わり目で体調を崩しやすい時期ですので、お体ご自愛ください。